CHAPTER 3

パターンは、
身体に記憶される

Memory
Nervous System
Release
Vessel

Chapter 2で見たパターンは、頭の中だけで起きているのではありません。

それは、身体の奥深く ── 自律神経という、生命の基盤そのものに刻まれています。だからこそ、「わかっているのに、変えられない」ということが起こります。理解だけでは届かない場所に、パターンは眠っているからです。

ここからは、その場所に光を向けていきます。そして、Soul Living™が「身体」という領域を、単なる肉体としてではなく、生命そのものを宿す器 ──「體」として見ていることについても、お伝えします。

身体は、覚えている。
そして、身体は、
解放される場所でもある。
01

パターンは、身体に記憶される

ある人の前に立つと、理由もなく息が浅くなる。特定の言葉を聞くと、身体がこわばる。頑張ろうとすると、なぜか肩に力が入る。

これらは、頭で考えて起きていることではありません。過去のある場面で、身体がとっさに覚えた反応が、似た状況でそのまま再生されているのです。

身体は、出来事の「内容」ではなく、その時の「感覚」を記憶します。だからこそ、忘れたはずの出来事でも、身体はまだ、その感覚を覚えていることがあります。

Fig. 1 — 記憶が再生される仕組み
過去の出来事
身体に刻まれる感覚
似た場面
自動的な反応
身体の記憶は、あなたを困らせるためのものではありません。かつて、生命を守るために必要だった働きが、今もそのまま続いているだけなのです。
02

自律神経が教えてくれること

Chapter 1で少し触れたように、自律神経には、交感神経・腹側迷走神経・背側迷走神経という、3つの働きがあります(ポリヴェーガル理論)。

この3つは、状況に応じて生命を守るために切り替わる、いわば「安全のはしご」です。

Fig. 2 — 生命を守る、3つの働き
Ventral Vagal 腹側迷走神経 ── 安全・つながり 安心の中で、人や世界とつながっている状態
Sympathetic 交感神経 ── 闘う・逃げる 危険に備え、身体を動かす準備をする状態
Dorsal Vagal 背側迷走神経 ── 凍りつく・閉じる 動くことも叶わない時、活動を最小限にして生命を守る状態

Chapter 2で見たパターンの多くは、この3つのどこかに、長くとどまり続けていることから生まれます。常に警戒している状態も、常に閉じている状態も、その人が弱いからではなく、かつて生命を守るために必要だった働きが、今も続いているだけなのです。

03

解放とは、手放すことではなく、通り抜けること

「解放」と聞くと、強く手放す、無理に乗り越える、といったイメージを持たれることがあります。けれども、身体にとっての解放は、もっと静かなものです。

それは、途中で止まってしまった働きを、身体が安心の中で最後まで完了させること。川の途中でせき止められていた水が、再びゆっくりと流れ出していくような感覚です。

力ずくで進めるものではなく、安全であるという感覚があって、初めて起こっていきます。

解放は、闘って手に入れるものではありません。安心という土台の上で、身体が自然に思い出していく力です。
04

「身体」と「體」

ここまで「身体」という言葉を使ってきましたが、Soul Living™では、もうひとつの文字 ──「體」を、意図的に使い分けています。どちらも「からだ」と読みますが、漢字が持つ世界観には、違いがあります。

Fig. 3 — 「身体」と「體」
身体 Shintai 肉体としてのからだ
  • 身体機能・フィジカルな側面
  • 身体を整える
  • 身体感覚・身体的な健康
Karada 生命を宿す、存在としてのからだ
  • 骨(こつ)+豊 ── 全体として形を成すもの
  • 全体・本体・実体・あり方
  • 體に還る

「體」は「体」の旧字体で、骨と豊という字から成ります。単なる肉体というよりも、骨格を持ち、全体として形を成しているもの ── というニュアンスです。古くは、からだそのものだけでなく、全体・本体・実体・本質的な形・あり方、といった意味でも使われてきました。

思想的・東洋的な文脈では、「體」は肉体だけではなく、その人の存在全体を受け止める器として捉えることができます。

「身体を整える」は、肉体を調える働き。「體に還る」は、生命そのものを宿す器へと還っていく働き。この2つの文字を使い分けることで、からだへの理解に、もうひとつ深い層が加わります。
05

體に還るということ

Soul Living™が大切にしている「身体・心・意識・魂をひとつに還していく」という世界観において、「體」という文字は、からだを単なる肉体としてではなく、生命そのものを宿す器として捉えることを示しています。

身体に記憶されたパターンに氣づき、自律神経という生命の基盤に光を向けていくこと。それは、からだを「直すべきもの」としてではなく、「還っていく場所」として見つめ直すことでもあります。

體に還るとは、何かを新しく手に入れることではありません。もともと生命が宿している場所へ、静かに戻っていくことです。
06

さらに奥にあるもの ── 靈

「魂」は、私という存在の本質でした。けれど、その奥には、もうひとつ深い層があります。古くから「靈(れい)」と呼ばれてきた、生命そのものの根源です。

魂が「私の本質」だとすれば、靈は「生命の本質」。個人を超えて、すべての生命に共通して流れている、目に見えない力です。

Body
Mind
Consciousness
Soul
Source
この靈から、生命はどのように現れ、私たちの身体にまで届いているのか ── Chapter 4で、その流れをたどっていきます。

身体は、覚えている。
そして、體は、
いつもあなたを迎え入れている。

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Chapter 04
靈 ── 生命の源